ビジネス 英語 〜外資系企業で働く人の体験談〜 > T・Sさん(男性)

T・Sさん(男性)

英日・日英専門の翻訳家&通訳家。

現在、フリーランスとして活躍中。その実力の高さから、
ハリウッド映画監督など、著名人と直接やりとりをする機会もある。

Q1.外国人とのコミュニケーションで失敗した経験(今でも鮮明に覚えているような経験)を教えてください

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今日、日本語を流暢に話せる外国人の方は驚くほどいらっしゃいます。どのくらいしゃべれるのか、日本の知識はどのくらいあるのかは様々ですが、「外国人は日本を知らないものだ」と一概に思い込んでいる方も多いのではないでしょうか。
私もそう思い込んでいたせいで、恥ずかしい経験をしたことがあります。偶然出会った外国人の方に、彼がもう長いこと東京に住んでいるとも知らずに日本の文化に関してあれこれと説明してしまったことがあり、後で冷や汗をかきました。それ以来、初対面の際に日本と日本語をどのくらい知っているのか素直に聞くことにしています。

外国人といっても、人それぞれです。パターン化せずに、1人の人間として接することが大切です。

TSさんのように、常に外国人と接している人ですら、こういった失敗をしてしまいます。日本人特有の癖といってもいいかもしれません。要注意です。

Q2.驚きを覚えた文化や習慣の違いはありましたか?あれば、その内容を教えてください

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日本人同士で仕事をする場合はお互いに呼び合う時は役職と名字が一般的だと思います。しかしアメリカ人との仕事の場合、もちろん相手にもよりますが「ファーストネームで」と初対面から言われることもしばしばです。
ある仕事相手に「Steveと呼んでください」と初対面で言われたものの、ついつい「Steveさん」あるいは「Mr.-----(ファミリーネーム)」と呼んでしまい、なかなか呼び捨てにできませんでした。これには今でも慣れませんね。

日本人としての気遣いからの振る舞いが、かえって相手にとっては失礼になってしまうこともあります。この点も私達は気をつけなければいけませんね。

Q3.日本人が抱いている外国人(国、文化圏は問わず)に対するイメージのなかで、これは違っていたという事実があれば教えてください

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日本人がアメリカ人に対して持っている一般的なイメージとして「明るい」「フレンドリー」「気さく」といったものがあると思います。しかし、もちろんすべてのアメリカ人にはあてはまるわけではありませんでした。

南部に比べて北部の人はおとなしい傾向にあり、物静かな人が多いようです。またニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど都会に暮らす人は、比較的警戒心が強いように感じます。例えば初対面からハグをされることもあれば、あるいは最後まで軽い握手しかしなかったり、アメリカ人の中にも様々な人がいます。

笑い話として、私がよく友人に披露するエピソードの一つが『サッカーとパスタな嫌いなイタリア人』というものです。(留学時代、実際にこんな友達がいました。)

イタリア=サッカーとパスタという固定観念があるからこそ笑い話になるのですが、現実としては人それぞれです。

人間をパターン化してはいけないですね。

Q4.外国人と接していて、ここは日本人も見習わなければいけないなと感じたことがあれば、教えてください

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私はフリーランスで仕事をしているので、結論に至る過程が簡潔なのは非常に助かります。「これだけの量の仕事をこの日までに出来るか?」といった感じで、必要なことを簡潔にストレートに要求されます。

彼らはイエスとノーをはっきりと主張すること、されることに慣れているせいか、例えば都合が合わず仕事を断ってしまった時などでも「オーケー、ではまたの機会に」といった感じで、対応がとてもあっさりとしています。フリーの身としては大変に嬉しいことですね。

日本の場合、Noと言うことは人間関係にも影響を及ぼすようなことになりかねないデリケートなことですが、外国人の場合、こういったことはありません。

逆にいえば、意思表示はしっかりしないといけないということにもなります。

Q5.ここは日本人のほうが優れている、自信を持ってもいいと感じたことがあれば、教えてください。

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前の質問と関連するのですが、簡潔に進められる分細部がおざなりになってしまう場合があるのは否めません。何事にも細部にこだわる日本人的な仕事の進め方が必要となる場面も多々あります。もちろんそれぞれが一長一短で、状況によりますが。

間違いのないように事前に細かく打ち合わせをしたい、というのは日本人としては自然なことだと思うのですが、外国人の方の中にはそれを面倒だと思う人もいるようで、「大体で構わないよ」などとおっしゃる方がいて驚いたことがあります。

相手が望む基準をクリアすることが仕事の鉄則。自分の基準ではありません。この点を意識すれば、考え方の違いもうまく活用できるかもしれないですね。

Q6.『外国人とコミュニケーションをするときには、どんなことに注意しなければいけないでしょうか?』 こんな質問を受けたときに、あなたであれば、どんなアドバイスをしますか?

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基本的には日本人同士のコミュニケーションと変わらないので、身構える必要はないと思います。相手が外国人だから、外国語で話をしなければいけないからといって、必要以上に構えてしまうのはむしろ逆効果です。リラックスして、いつも通りでいることが大切だと思います。
特に会話において、「完璧な英語」(他の言語でも同様ですが)を話す必要はありません。こちらが日本人であることは向こうも分かっていますから、たどたどしくても問題はありません。むしろ、伝えるべきポイントが伝わるかどうかの方が、ずっと大事です。

コミュニケーションにおいては、コトバの正しさよりも、話の中身のほうが重要です。コトバの間違いは気にせず、どんどん意思の疎通を図りましょう。

Q7.『外国人と働くこと』に関して、何か他人に伝えたいようなメッセージがあれば、自由にお書きください

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違う文化、違う言語を持った人たちと仕事をする際、何かしら大変な思いをすることは誰しも避けられないことだと思います。しかし相手にとってもあなたは「外国人」だということをお忘れなく。共通のゴールのためには、どちらか片方ではなくお互いが差異を認め合い、互いに歩み寄ることが大切だと思います。

『お互いが歩み寄る。』

とても重要なことです。相手の立場を尊重して、自分の考えを押し付けないと同時に、相手が身勝手なことをしてきたら、その点はキチンと指摘しなければいけません。

あくまでも対等の立場で付き合う。これがコミュニケーションの基本です。

T・Sさんのインタビューを終えて

TSさんの言葉には、相手の立場を尊重しつつも、自分もしっかり主張するという姿勢が感じられました。これは外国人とコミュニケーションをとるときの基本ではと感じます。

外国人と付き合うとき、不必要に相手に合わせてしまう人もいますが、コミュニケーションの基本はフィフティーフィフティー。主張すべきことは主張すべきです。

こんなことをTSさんとのインタビューから学びました。

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