ビジネス 英語 〜外資系企業で働く人の体験談〜 > T・Hさん(男性)

T・Hさん(男性)

営業や広報業務のなかで、海外の会社やメディアを相手にしてきたTHさん。
あらゆる業務のなかでも、特にコミュニケーションの度合いが
深い現場ということで、非常に濃い経験をされてきています。

付き合ってきた国の数、期間の長さ等、通常のビジネスパースンとは
経験値が違います。とても刺激的なインタビューとなりました。

Q1.外国人とのコミュニケーションで失敗した経験(今でも鮮明に覚えているような経験)を教えてください

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広告代理店に勤務していた際に、海外の調査会社の電話対応をしなければならないことが
ありました。調査対象国はインドで、電話をかけてきたのはその現地のスタッフでした。やりとりは英語で行われていたのですが、インドの癖のある英語と、音が不明瞭な(僻地だったからか?)電話を通してのコミュニケーションだったため、内容を把握するのに苦労しました。

現地の地名や、専門用語など分からないことばかりで、何度も聞き返さなければならず、相手をイライラさせてしまっただけでなく、一生懸命聞き取って上司に伝えた内容が結局間違っていたという失敗がありました。

固有名詞というのは、予備知識がなければ推測して理解することはほぼ不可能な単語なので、知識の有無が全てとなります。

自分が関わる分野の固有名詞は押さえておきましょう。

Q2.驚きを覚えた文化や習慣の違いはありましたか?あれば、その内容を教えてください

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リゾート会社で広報の仕事をしていた際に、台湾の雑誌社の取材を受けたことがありました。基本的にコミュニケーションは英語だったので、話の内容は問題なかったのですが、取材後の写真の扱いや、テキストの直しなどが、日本の雑誌社では考えられないような内容でした。

国内の他の雑誌のコピーと思われるものと切り貼りされた写真や、説明した内容と全く違う内容の紹介文など、メールで送られてきた原稿に手直しは入れたものの、その後どうなったのかは分からないままです。驚きを覚えたというよりも、常識の問題なのかもしれませんが、基本的なところでの原稿チェックの習慣が共有できていなかったのはショックでした。

外国人と接していると、あまりにも自分が持っている常識とかけ離れていてショックを受けることもありますが、こういったことを乗り換えるのも国際派ビジネスパーソンの必須スキルといえます。

Q3.日本人が抱いている外国人(国、文化圏は問わず)に対するイメージのなかで、これは違っていたという事実があれば教えてください

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日本では、日本人同士なら分かるだろう、という共通認識があると思っている人が多いですが、実際には外国人であろうと、日本人であろうと、個人差の方が大きかったりします。日本人でも時間にルーズな人はいますし、イタリア人でもシャイな人はいます。典型的な外国人イメージの外国人は意外と少ない、というのがイメージと現実の違いでしょうか。実際に、学生時代に出会った留学生のイタリア人は、シャイで、真面目で、女性好きでもなかったという、典型的なイタリア人男性の反例であり、新鮮でした。

人間をパターン化することは危険です。ついついやりがちのことなので、十分に意識しましょう。

Q4.外国人と接していて、ここは日本人も見習わなければいけないなと感じたことがあれば、教えてください

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日本に来ている外国人だから、というのもあるかもしれませんが、外国人は結論をはっきりと言う、というのは見習うべきところだと思います。日本に来ている外国人というのは特に、自分で主張していかないと生活をするのにも苦労するので、ハッキリと利害を主張します。自分にとってメリットがあるかないかをハッキリさせて、メリットがないことはできるだけしたくない、といスタンスは学ぶところがあると思いました。仕事をしている時に、ちょっとした頼まれごとでも断るというのには驚きますが、それでも、嫌だ、とハッキリ主張されると、引き受けてから嫌々やってもらうよりも、スッキリします。

キチンとした意思表示というのは、外国人と付き合うがある日本人が必ず学ぶべきポイントとしてあげることです。

それだけ、日本人は曖昧ということですね。

Q5.ここは日本人のほうが優れている、自信を持ってもいいと感じたことがあれば、教えてください

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日本人の方が外国人よりも優れていると感じた点は、その忍耐強さと、勤勉さです。日本人は仕事上の依頼であれば、大抵の事を断らずに成し遂げようとしますが、外国では意外とすぐに、できない、という返事が返ってきます。努力して何とか解決策を見つけようとする、忍耐強さと、勤勉さは日本人が誇りに思って良い点だと思います。

海外の調査会社などと仕事をした時に、調査を進めていく過程で、追加の調査や予備調査などが発生したのですが、このような付加的なことに対して、外国人はすぐに、それは別の話だから別途コストを払うか、そうでなければやらない、となり、日本との違いを感じました。

もちろん、それが必ずしも良いというわけではないですが、日本人の、とりあえずやってみます、という姿勢は誇れるものだと思います。

『何とかしよう』という姿勢は自分を高めるうえで必要不可欠な姿勢です。

それが身についている日本人というのは素晴らしいと思います。(もちろん、日本人の全てがこうというわけではありませんが・・・)

Q6.『外国人とコミュニケーションをするときには、どんなことに注意しなければいけないでしょうか?』 こんな質問を受けたときに、あなたであれば、どんなアドバイスをしますか?

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私たち日本人が日本語で考えるように、外国の人はその母国語で考える場合が殆どです。だから、外国の人とコミュニケーションをする時には、できるだけその人が普段使っている言葉で考えるようにすると、伝わりやすいのではないかと思います。

つまり、日本語を訳して伝えるのではなく、相手の言葉で考えるということです。

実際に、海外のクライアントにプレゼンをした際に、日本語で考えた内容を英訳して話すよりも、英語で考えるとどういう説明になるだろうか、というアプローチを取った方が相手にとって分かりやすくなったという経験があります。

言語というのは、それぞれ特有の表現パターンがありますから、単純にコトバを翻訳するだけでは、意味がわからなくなってしまいます。

日本語を仲介せずに使うということは大切なことです。

Q7.『外国人と働くこと』に関して、何か他人に伝えたいようなメッセージがあれば、自由にお書きください

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外国人と働くことは、驚きや戸惑いもありますが、刺激的で素敵な体験だと思います。職場に外国の方がいるのであれば、仲良くならないのはもったいないことです。

彼らを通して、日本や自分自身を見つめなおす良い機会になりますし、いずれ自分が行くであろう外国についても知ることができます。それに、言葉の壁を乗り越えることや、外国人に対して作ってしまう意識の壁を乗り越えることで、より幅広い人々とコミュニケーションできるようになるきっかけになります。

外国人と働く機会があれば、ぜひ、意識し過ぎず自然に、そして、驚きや戸惑いから多くを学んで欲しいと思います。

自分と違う考えを持つ人との出会いは、人間力を高める機会ともなります。

そういった意味では外国人との接触というのは、とてつもないチャンスともいえます。大変なこともたくさんありますが、それだけの見返りもあります。前向きに取り組んでいきましょう。

T・Hさんのインタビューを終えて

THさんの最後のメッセージは、外国人とのコミュニケーションに苦労している人にとっては、勇気を与えられるコトバなのではと思います。

外国人とのコミュニケーションを大変なものと思うか、それとも貴重なチャンスと思うか、それは全てあなた次第です。

どうせなら、前向きに捉えたいものですね。

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